となりの情事
あれは、忘れもしない二年前の沖縄旅行。
某豪華ホテルのエントランスに、
元彼女が佇んでいた。
変わらぬ美しさにドキリとしたが、
いまは家族がある身、余計なトラブルは避けたいと、触れぬように努めた。
その日の夕方、大浴場をでた待合室で、
ゆっくりしていると、急に耳元で、「久しぶり」と囁かれた。
見上げると、涼しげに浴衣を着こなす色白スレンダーな元彼女が。
話をしていくうちに、彼女が自分たちのとなりの部屋に宿泊しているとわかり、妻たちが帰ってくるまでという約束で、向かうことになった。
ベランダにでると、涼しい夕方の風と、夕焼け、彼女のピンクの唇が、私の理性を奪った。
情事の中、となりのベランダから、妻たちの声がきこえた。
となりのベランダとは、姿こそ見えないものの、声は筒抜けであるため、
彼女と声を押し殺しながら、絶頂を迎えたのをいまでも覚えている。